今回は、仮想通貨でも使われている技術である『ブロックチェーン』について解説していきます。
- ブロックチェーンについて知りたい
- ブロックチェーンのメリットを知りたい
- 仮想通貨に安心して投資できるか知りたい
- ブロックチェーンは何に使えるのか知りたい
ブロックチェーンの仕組みを解説
『ブロックチェーン』はAIやIoT、クラウドと同じ時期に最近出てきたもので、いくつかの技術を組み合わせたプラットフォームです。
つまり、ブロックチェーンというのは技術ではなく思想(考え方)であると言えます。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとはクラウドに保存されているデータを管理するシステムのことです。ちなみに、このクラウドデータをどのように利用すればみんなが便利になるか考える技術がAI(人工知能)です。
結論から言うと、不正にデータを改ざんしようとする者からデータを守るために使われています。
ブロックチェーンで使われている4つの技術
ブロックチェーンに使われている技術はこちら。
- 暗号化技術
- コンセンサスアルゴリズム
- P2P通信
- DLT(分散型台帳技術)
どれも難しい単語が並んでいますが、これらの1つ1つは決して新しいテクノロジーではありません。
わかりやすく解説していきます。
暗号化技術
みなさん普段メールをする際に実は内部で暗号化されているということを知っていますか?
実はこの暗号化という技術はブロックチェーンにも応用されています。
例えば、引っ越しを想像してほしいのですが、箱に詰めた後に引越し先のリビングや寝室にダンボールを整理することを想像してみてください。
ブロックチェーンにおいては、情報をダンボールに梱包(暗号化)してそれぞれの箱をチェーン状に並べます。
ブロックチェーンは、情報を梱包化して箱に詰める並べる
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムをそのまま翻訳すると「合意方法」です。
先ほどの例でいうと、箱に入れられている品物がどんな種類でどれくらい入っているかをみんなで確認する作業のことをいいます。
つまり、ブロックチェーンのような分散型台帳の場合、参加者全員が不正な取引を監視し、全員の合意があって始めて取引が成立することになります。
ブロックチェーンは、みんあで取引を確認し全員の合意を取る必要がある
P2P通信
P2Pは「Peer to Peer(ピア・ツー・ピア)」のことで1対1の取引のことをいいます。
ブロックチェーンではネットワークで繋がっているすべての端末同士がそれぞれ通信します。
イメージとしては、自分のコンピューターは隣の端末に繋がり、そして隣の端末はさらに隣に繋がるといった感じで最終的に蜘蛛の巣のようなネットワークを構築する特徴を持ちます。
ブロックチェーンでは、すべての端末が蜘蛛の巣のようなネットワークを構築して対等に通信する
DLT(分散型台帳技術)
最後に4つ目の技術であるDLT(分散型台帳技術)の説明をします。
インターネットにおけるデータ管理には「中央集権型」と「分散型」の2種類があります。
中央集権型はその名の通り1つの場所に権力を集中させることをいいます。
メリットとしては意思決定が非常に早いためスピーディに処理を実行できるという点です。しかし、権力を集中させているため悪意のある操作があるとネットワーク全体に悪影響を及ぼしてしまうデメリットもあるのです。
中央集権型は権力が集中してしまうため不正に対するリスクヘッジができない
例えば、政府と国民の関係が中央集権型だとしましょう。国民の税金が無駄に使われたり汚職や賄賂、公文書の改ざんといったありえない不正が行われてしまうリスクがあるのが中央集権型になります。
一方、分散型台帳は全員同じ権利を持っているため1人だけ不正するということが許されません。
先ほどの例でいうと、国民全員の同意がないと税金を使うことができなくなります。
ブロックチェーンに採用されている分散型台帳は不正ができないので、システムの信頼性が格段に向上する
ブロックチェーンのメリット・デメリット
ブロックチェーンに使われている技術について解説しました。
では、実際にブロックチェーンの何が良いのか、悪いのか解説していきます。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンのメリットはこちら。
- 改ざんがほぼ不可能
- システムの安定性が高い
- 運用コストが安い
ブロックチェーンにおいては「誰が」「いつ」「何を」「どれだけ生産し」「どれだけ取引したか」を誰でも確認することができます。
そのため、ブロックチェーンは取引の透明性が高く改ざんがほぼ不可能なのです。
さらに、ブロックチェーンは運用コストも安い。
中央集権型のシステムであれば莫大な予算をかけてサーバーシステムを構築するため設備以外にも電気代や保守費用といったランニングコスト掛かってしまいます。
分散型台帳のブロックチェーンであればそれぞれの端末同士がチェックを掛けるので大規模な設備を必要とせず運用コストを安くすることができるのです。
ブロックチェーンのデメリット
続いて、ブロックチェーンのデメリットはこちら。
- 記録データの削除ができない
- 処理能力と障害体制はトレードオフ
- 将来役に立たなくなる可能性がある
ブロックチェーンの応用例
ブロックチェーンの応用例は世界各地さまざまあります。
ですが代表的なものはやはり「仮想通貨(暗号化資産)」でしょう。
- 仮想通貨(暗号化資産)
- トレーサビリティ(商品の追跡)
- 音楽や映像の著作権
- 住民登録のためのデジタルID
- 銀行や公的機関の本人手続き
ブロックチェーンを採用している仮想通貨(暗号化資産)は安全か?
仮想通貨(暗号化資産)は近年、「デジタルゴールド」と言われるようになるほど価値が上がっています。
2021年1月時点で 1BTC(ビットコイン)=344万円 という高値を付けていることから世界中の人々がビットコインを中心とした仮想通貨に興味を示していることがわかりますね。
ブロックチェーンは仮想通貨の信頼性を向上させるためになくてはない仕組みです。
とはいえ、仮想通貨を管理する口座が安全に使われるのか気になりますよね?
【過去事例】コインチェック事件(2018年)
記憶に新しいのが2018年1月26日に起きたコインチェック事件。
仮想通貨取引所であるCoincheckが外部よりハッキングされてしまい580億円相当のXEM(ネム)といわれる仮想通貨580億円相当が盗難された出来事です。
原因はコインチェック社員へ送られたメールにマルウェア感染させるリンクが含まれており、社員がそのリンクをクリックしてしまったことでした。
尚、当時、ハッキングした犯人は北朝鮮やロシア説であるという噂が広まりましたが、まだ真犯人特定には至っていません。
しかし、当時のコインチェックは「仮想通貨交換業みなし業者」であったことと、現在は「仮想通貨交換業者」としてのセキュリティ体制に進化していることから現在ではコインチェックでの取引が危険という風潮はなくなりました。
仮想通貨自体の安全性・信頼性は揺るがない
仮想通貨を流出させてしまったコインチェック事件でしたが、原因は完全にコインチェック側のセキュリティ体制が甘かったためでした。
つまり、仮想通貨自体の安全性や信頼性が下がったわけではありません。
最近では、仮想通貨取引所は各所が「コールドウォレット」と呼ばれるインターネットに接続していない状態で仮想通貨を保管する手法を採用していることもあり、一昔前よりもセキュリティ面においてだいぶ向上しました。
仮想通貨を始めるには?
仮想通貨を始めるためには仮想通貨取引所の口座を開設しなければいけません。
代表的な仮想通貨取引所はこちらを参考にしてください。
まとめ
ブロックチェーンの仕組みからメリット・デメリットまで説明しました。
ブロックチェーンの最も有名な代表例が仮想通貨(暗号化資産)です。
コロナ禍の現在では世界中の各国が紙幣を刷っており円やドルの価値が相対的に下がっていくことが予想されます。
そこで、ハッキングがほぼ不可能といわれている仮想通貨に白羽の矢が立ち世界的企業であるPaypalもビットコインを購入するに至りました。そして、このように企業が仮想通貨をポートフォリオに組み込む流れは今後も加速していくことが予想されます。
少しでも仮想通貨に興味があれば時代の流れに乗り遅れないように早めに運用を始めるのもありですね。ただし、仮想通貨の口座を作る際は、仕組みを理解した上で開設するようにしましょう。
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