先日、新製品の無線機器製品で会議しているときにBlutoothかWi-Fiどちらを採用するか議論になりました。
Blutoothに対して自分自身なんとなくの知識しか持っていなかったので、勉強を兼ねてBluetoothとはどういった機能なのか?調べました。
Wi-Fiとの違いやワイヤレス製品を買うポイントも併せて紹介していくので是非最後まで読んでくださいね。
- Bluetoothの特徴を知りたい
- BluetoothとWi-Fiで何が違うのか知りたい
- Blutooth製品を選ぶときのポイントを教えてほしい
Bluetoothって何?
Bluetoothとは、2.4GHz帯の無線周波数を利用した近距離無線通信規格のことです。
無線規格自体はWi-Fiなど他にもあるので、Bluetoothは無線規格の一部になります。
- ワイヤレスでの通信が可能
- ペアリングで接続したら以降は電源ONで自動接続
- 国際規格のため世界中のBluetooth対応製品同士が接続可能
特徴は、Bluetoothに対応した機器同士を無線でペアリング(接続)して、ケーブルを経由せずにデータのやり取りを行うとが可能。通信可能範囲は約10mでWi-Fiと比べると狭いが、省電力で通信できるのが特徴です。
Bluetoothにはバージョンがある|Bluetoothの歴史
Bluetoothは1999年にリリースされた無線技術なわけですが、現在に至るまでバージョンアップしてきたことはご存知でしょうか?
バージョンごとの特徴を紹介します。
バージョン | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
Bluetooth 1.0 | 1999年 | 初期バージョン |
Bluetooth 1.0B | 1999年 | Bluetooth 1.0に修正を加えたバージョン |
Bluetooth 1.1 | 2001年 | Bluetooth 1.0に修正を加えたバージョン このバージョンから一般的に普及した |
Bluetooth 1.2 | 2003年 | 同じ2.4GHzの周波数帯を利用する無線LANとの電波干渉を減らし、音質を改善 |
Bluetooth 2.0 | 2004年 | データ転送を向上する機能を追加 |
Bluetooth 2.1 | 2007年 | 高速で簡単なペアリング(セキュリティも強化)機能を追加 超低消費電力機能を追加 |
Bluetooth 3.0 | 2009年 | 最大通信速度: 24MbpsのHS(High Speed)機能を追加 |
Bluetooth 4.0 | 2009年 | 省電力機能(LE: Low Energy)を追加 |
Bluetooth 4.1 | 2013年 | LEのデータ通信を効率化 LTEとの電波干渉を低減 直接インターネットに通信できる機能を追加 |
Bluetooth 4.2 | 2014年 | LEのデータ通信速度が2.5倍に高速化 |
Bluetooth 5.0 | 2016年 | データ通信速度がBluetooth 4.0の2倍、通信範囲が4倍、通信容量が8倍 ネットワークメッシュに対応 |
Bluetooth 5.1 | 2019年 | 方向探知機能を追加 |
Bluetooth 5.2 | 2020年 | LE Audio機能を追加 |
Bluetooth機能を搭載した代表的なデバイスといえばスマホでしょう。
2008年に発売されたiPhone 3Gでは「Bluetooth 2.0」が使われており、2017年以降のiPhone 8からは「Bluetooth 5.0」が採用されました。
Bluetoothは技術の進歩に併せて、今までよりも使いやすく快適になっています。シームレスな通信や高速通信だけでなく、省電力も兼ね備えたマウスやキーボード、イヤホンまでもBluetooth対応した製品が増えてきました。
また、マルチペアリング機能により1つのイヤホンで複数のデバイス(スマホや音楽プレーヤーなど)の接続を記憶させスムースな切り替えが可能になり、より便利になっています。
Bluetooth Ver3.0と4.0は互換性がないので要注意
Bluetoothのバージョンを説明しましたが、基本的に新しいバージョンは古いバージョンと互換性があります。
ですが、Ver4.0から「Bluetooth Low Energy(BLE)」という異なる通信方式を採用しているためVer3.0と4.0には互換性はありません。
ですが、機種によってはBLEとver3.0以前の通信方式の両方をサポートしている場合もあるので全てが互換性なしというわけでもないです。
Ver3.0以前の通信方式に対応している機器かどうかはロゴを見ることで判断できます。
ロゴ | 機能 |
---|---|
Ver3.0と4.0(BLE)の通信方式を両方搭載 | |
Ver.4.0(BLE)の通信方式のみ搭載 | |
Ver3.0以前の通信方式のみ搭載 |
BluetoothとWi-Fiは何が違う?
続いて、BluetoothとWi-Fiの違いを説明していきます。
同じ無線技術ではありますが、BluetoothとWi-Fiはそれぞれ特徴が異なります。
項目 | Bluetooth | Wi-Fi |
---|---|---|
強み | 消費電力が少ない 電波干渉を回避できる | 通信速度が高速 遠距離まで電波が届く |
周波数帯 | 2.4 GHz | 2.4〜5.0 GHz |
最大通信速度 | 約24 Mbps | 約1,300 Mbps |
到達距離 | 10 〜 100 m | 100 〜 200 m |
BluetoothとWi-Fiの大きな違いは通信速度と電波が到達する距離です。
Wi-Fiの方が通信速度が1,300Mbpsと高速で約200mと遠くまで電波を運ぶことができる一方、Bluetoothは24Mbpsで到達距離も10mほどと短いです。
しかし、Wi-Fiは電力を多く消費するのに対してBluetoothはかなり省電力で済むのも特徴の1つなので、ワイヤレスイヤホンやマウス、キーボードなどの身の回りの通信機器はBluetoothが主流になっているのです。
Bluetooth製品を選ぶときのポイント
- 手持ちの機器がBluetoothに対応しているか確認する
- Bluetoothのバージョンを確認する
- プロファイルに対応しているか確認する
- Classがいくつなのか確認する
手持ちの機器がBluetoothに対応しているか?
手持ちのパソコンやスマホがBluetoothに対応していないと、Bluetoothイヤホンなどを買っても接続して音楽を聞くことができません。
購入前には必ずBluetooth機能が搭載されているか確認しましょう。
Bluetoothのバージョンを確認
Bluetoothにはバージョンがたくさんあり最新がVer5.2です。
おすすめとしては「Bluetooth® Low Energy(BLE)」と呼ばれる省電力機能が搭載されているVer4.0以降です。このバージョンであれば長時間使用が可能です。
プロファイルによって使える機能が変わる
プロファイルとは「Bluetooth機器でできること」を表します。
機器によって様々で、Bluetooth対応機器同士が同じプロファイルに対応していることでその機能を使うことができます。
主なプロファイルの種類と機能
プロファイル名 | 機能 |
---|---|
DUN | 携帯電話・PHSを介してインターネットにダイヤルアップ接続 |
FTP | パソコン同士でデータ転送 |
HID | マウスやキーボードなどの入力装置を無線化 |
OPP | 名刺データの交換などをおこなう |
HSP | ヘッドセットと通信 |
HFP | 車内やヘッドセットでハンズフリー通話 |
A2DP | ヘッドフォン・イヤフォンに音声伝送 |
AVRCP | AV機器のリモコン機能(再生、一時停止、音量調整など) |
ver.4.0のプロファイルの種類と機能
プロファイル名 | 機能 |
---|---|
Battery Service Profile | バッテリー残量情報を提供 |
FMP | 見失ったデバイスを探す |
TIP | 時刻の修正 |
ANP | 音声/メール着信を通知 |
PASP | 電話着信を通知 |
HOGP | 低消費電力で機器を接続 |
SPP | Bluetooth®機器を仮想シリアルポート化 |
HCRP | ファイルの印刷・スキャン |
BPP | プリンターへ転送、印刷 |
BIP | 画像の送受信・印刷 |
PAN | Bluetooth®経由でネットワーク接続 |
VDP | ビデオデータをストリーミング配信 |
PXP | 接続機器間の距離をモニタリング |
Classは電波到達距離を表すもの
Classには3種類あり、それぞれで電波到達距離が異なります。
Class | 電波到達距離 |
---|---|
Class1 | 最大100m |
Class2 | 最大10m |
Class3 | 最大1m |
Class1~3までで最大1~100mの範囲で通信することができます。Classが異なる機器同士で通信する場合は電波到達距離が短い方が採用されます。
例えば、Class1とClass2の機器を繋ぐときはClass2の最大1mの電波到達距離になるわけです。
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